【うつ病の書籍レビュー】「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由

こんにちは!かずきです。

「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由 という本を読みました。

ほぼマンガなので、とっても読みやすいです。しかし、マンガだからとあなどるなかれ!めちゃめちゃためになることのオンパレードです!

▼ちらっと1ページだけ。こんな感じ~

この本の構成は以下の通り。

プロローグ「昔、その気もないのにうっかり自殺しかけました」
第1章「なんで死ぬまでがんばりすぎちゃうの?」
第2章「心のSOSに気がついて」
第3章「がんばらない勇気」
第4章「自分の人生を生きるために」
第5章「世界は本当に広いんです」
最終章「自分を犠牲にしてがんばりすぎちゃう人へ」
※章と章の間に「おしえて!ゆうき先生Q&A」という精神科医ゆうきゆう先生のコラムがあります。

構成順にぼくの経験も交えながらレビューしていこうと思います。

プロローグ「昔、その気もないのにうっかり自殺しかけました」

著者の汐街コナさんが過去に残業90~100時間で毎晩終電に飛び乗っていた頃のことが書かれています。
ある日の終電に乗るとき。電車がホームに入ってきました。著者はふと思いました。
「線路に一歩踏み出せば明日は会社に行かなくていい」
しかし、それは実行できませんでした。
この本のタイトルにある「死ぬくらいなら会社辞めれば」と思う人は多いでしょう。
ですが、心も体も弱り切った状態だと、その程度の判断力すら失ってしまうのです。
ぼくも少しですが、うつ病経験者ということで分かります。
心がうつ状態になると、正常な判断ができなくなります。
それに加えて、感情が死んで、無気力になったり、これまであった興味、好奇心も無くなります。
このプロローグを読むと、長時間労働、ハラスメントを受けた過去がある、もしくは今その状態という方はかなり共感できると思います。

第1章「なんで死ぬまでがんばりすぎちゃうの?」

上の質問に対する答えとして書いてあったことのうち、ぼくが印象に残ったのは以下の2つです。

  • 他のみんなも頑張ってるから
  • 過労は見えない刃物だから

他のみんなも頑張ってるから

会社で周囲が深夜残業しまくっていて、自分は帰りたいと思ってもなかなか帰れませんよね。

「みんな頑張ってるし、しょうーがない。」と自分に言いきかせて、黙々と作業をこなす方が多いのではないでしょうか。

ぼくも心では「帰りてぇぇぇぇぇぇ」と思っていても、「お先に失礼しまーす!」という行動はできませんでした。

しかし、人には個体差があります。残業100時間でも大丈夫な人もいれば、60時間が限度、30時間が限度の人もいます。また、得意・不得意も人によって違います。

努力するのは素晴らしいことです。しかし、無茶な努力は自分を壊すだけです。

ですので、他人を基準にするのではなく、自分の心と体の調子、あとは過労死ラインである一か月残業80時間を基準としましょう、と著者は書いています。(ぼくは80時間でも多いと思いますが)

ぼくも他人を基準にするのではなく、自分を基準にして判断するのが正しいと思いました。

過労は見えない刃物だから

例えば、刃物を持った不審者が現れたとします。刺されたら大変なことになるのは目に見えているので、大抵の人は逃げると思います。もし、刺されたら一瞬で大けがや後遺症が残る、最悪死にます。

これに対して、長時間労働やパワハラなどで心身を壊してしまった場合を考えます。こちらも、心身に後遺症が残ったり、長期入院が必要になったり、最悪自殺します。これは同じです。

しかし、違うのは致命傷を負うまでの時間です。前者は一瞬ですが、後者はゆるやかにストレスが積み重なっていくため時間がかかります。また、前者は誰が見ても明らかに分かるのに対して、後者は目で見て分からないことも多々あります。(ぼくも職場ではうつ状態をなんとか隠していたので、上司にうつ病と診断されたことを打ち明けたときは気がつかなかったと言われました。)

このように過労は見えない刃物でゆるやかに刺されているようなものです。ゆるやかで見えにくいから分かりづらいだけで、危険なことは同じです。

最近何かおかしいなと感じたら、誰かに相談する、精神科に行く、すみやかに逃げるなどしましょう。

第2章「心のSOSに気がついて」

この章では、ストレスを受け続けた場合に出る症状について書いてあります。2つピックアップしてみます。

突然涙が出る

ぼくはうつがひどいとき、悲しいことがないのに涙が止まらないことがありました。

これは感情が麻痺して心が限界を迎えていて、心がSOSを発しているそうです。

このような症状が出たときはストレス源から離れて休んで下さい。 ぼくはそれで良くなってきました。

動けない

ぼくはうつ病と診断される前、数カ月にわたって休日はベッドから動けなくなっていました。平日は仕事に行くだけで精一杯。帰ったらベッドから動けませんでした。ですので、以前はできていた家事などもできなくなっていました。

熱もないし、ケガをしているわけでもありません。

このようなとき、心はストレスに押しつぶされていてSOSを発しています。

ここで「なんで自分は動けないんだ!」と自分を責めると、ドツボにはまっていき、余計に動けなくなる一方です。

ぼくの経験から言うと、動けないときは、そのことを受け入れて動かず休むのが1番良いと思います。(と言っても、なかなか休んだような気持ちにならないと思いますが)

できるだけストレス源から離れて、動かず休みましょう。すると、今度は逆に動きたくなるときがいつかはやってきます。そこから少しずつ動けばいいと思います。

これ以外にも心からのSOSはたくさんあると思います。事前にどんなSOSがあるのかを知っておけば、「あ、これひょっとしたらヤバいかも!」と症状が軽いうちに気づき、精神科を受診するなどの対策を早い段階で取れると思います。

そういう意味でも、よくあるSOSを知っておくのは大切だと思います。

第3章「がんばらない勇気」

この章にはうつ病の方もそうでない方も、すべての人にとって生きやすくなる考え方が書いてあります。

かかわらない

人はそれぞれ自分なりの常識や良識を身につけています。それは人によって様々です。それをお互いに認め合い、すり合わせながら生きています。

しかし、たまにすり合わせようがない人っていますよね。この人とは絶対的に考えが合わない、ノリが合わない、などなど。

真面目な人ほど一生懸命合わせようとします。

でも、それははっきり言って無理です。相手を変えるのは難しい。自分がなんとか合わせようとして、自分が疲れるだけです。

世の中には自分と合う人は必ずいます。その人と深く付き合っていけばいいのです。その方が幸せです。

ですので、合わないと思った人とはかかわらない。逃げるが勝ち。人生の貴重な時間を合わない人に使うのではなく、自分の大切な人といる時間に使いましょう。

不幸競争に参加しない

つらくて休みたい、辞めてしまいたい。

そんなとき、こんなことを言う人いますよね。

「世の中にはもっとつらい人がいるから我慢しなさい」

「わしが若いころはもっと苦労したんだぞ」

「私よりもまだマシじゃん。私なんか、うんたらかんたら・・・」

こういうときは心の中でこうつぶやきましょう。

「あっそ。そんなのかんけーねー。はい!オッパッピー!」(←古いww)

不幸競争には参加しなくていいです。やりたい人たちだけでやらせておきましょう。あなたには関係ありません。

つらいのはあなた。辞めたいのもあなた。追い詰められて心身を壊すのもあなた。

不幸競争に参加したがる人たちは、あなたを助けてくれるどころか、あなたを不幸に引きずり落ろします。

そんなことをするより、幸せになるために行動しましょう。

第4章「自分の人生を生きるために」

自分を最優先にして生きる

人のことを考えるのは素晴らしいことです。人目が気になるのも当然だと思います。

しかし、他人を優先しすぎて自分の身体や心を後回しにしているうちに、手遅れになってしまうのではないでしょうか。

他人のため→会社や顧客に迷惑はかけられない、家族のため、せっかく親に育ててもらって入社できた会社なのに

他人の評価のため→上司に叱られる、できないやつと思われる、会社辞めたなんて家族、親族等に言えない

ぼくは、日本人は他人を優先しすぎて自分軸で生きれていない人が多いのではないかと思っています。だから、幸福度も低いのではないかと思います。

何があなたの幸せですか。世間の常識にまどわされていませんか。自分の幸せは自分で決めましょう。

「ねたむ」より「うらやむ」

この2つの違いは以下の通りです。

自分より能力・経済力・立場等が上の人がいた場合に・・・

うらやむ:自分をその人の位置まで高めたいと思う

ねたむ:その人を自分の位置まで落としたいと思う

みんなで幸せになれるのは「うらやむ」です。しかし、世間では「ねたむ」になってしまう人が多いです。

例えば、「育児休暇は迷惑。もっと申し訳なくしろ!」なんて思う人がいます。そんなことを思うより、誰もが休暇を取りやすい会社になるよう努力した方が素敵ではないですか。

確かに、上を目指すのは大変で、他人が落ちることを望む方が楽です。しかし、それではいつまでたっても自分は上に行けませんよね。

上の人に助言をもらったり、アドバイスしてもらったりしていいではありませんか。

「うらやむ」ことで、みんなで幸せになりましょう。

替えのきかないもの

仕事は誰かがやってくれて替えがききます。会社は誰か欠けても回るようになっています。(そうなっていなかったら、その会社が問題)

しかし、あなたの命、夢、人生。 あなたが誰かの息子、娘、父親、母親、夫、妻、兄弟、恋人、友人であること。 これらは替えがききません。

壊れてしまう前に休みましょう。あなたの大切な人たちと長い道のりを歩むために。

第5章「世界は本当に広いんです」

この章では、ブラックな職場を辞めて転職したり、部署異動したりして、以前よりは幸せになった方々の例が書いてあります。

つらい職場で自分だけで抱え込んでいると、見える世界が狭くなり、その会社しか見えなくなってしまいます。そして、どんどん苦しくなっていきます。

しかし、会社なんて世の中いくらでもあります。転職してみて違うなと思ったら、次に行けばいいだけです。

つらい場所でとどまっているよりは、心身壊す前に今の状況から離れるのが良いと思います。

個人的にはできるのであれば、休職も良いと思います。休んで自分と向き合う時間を取れるからです。

この章は、現在苦しい状況にある方にとっては特に響くものがあると思います。

最終章「自分を犠牲にしてがんばりすぎちゃう人へ」

この章では、ぼくは社会の問題点に言及しているところが印象的でした。例えば、以下の2つ。

日本の教育について

日本の教育って、自分で考えて動くと、「勝手なことしない!」って怒られますよね。逆に、大人の望む通りに型にはまった行動をする子が褒められますよね。

この教育により、「大人の言う通りにしないと怒られる。いい子にしてないといけない。」という子が育ちます。

こういう子が大人になるとどうなるでしょう。自主性のない大人の出来上がりです。ぼくも結構当てはまります。

自主性がないと、自分がこうしたいというのがありません。周りの目ばかりが気になります。はたしてこれで幸せになれるでしょうか。

日本の教育の問題点ですね。子供は親の所有物ではありません。子供には子供の人生があります。抑圧しすぎるのは良くありません。

普通の人が真面目に働くだけで死ぬ社会。どう考えても異常。

ぼくも全く同意見です。

しかも、その理由が真面目さ、責任感、努力家であること、人への配慮など、本来報われるべき美しい感情のせいだなんて、残酷すぎます。ブラック企業はこれらを利用していると思います。

日本は便利で美しい国です。

しかし、それを支えているのは死に至るような過労です。これでは本当の幸せな国とは言えません。

本来は国・企業が対策をすべきですが、なかなか解決されません。すので、労働者側が自分で自分を守るしかありません。

この本は自分で自分を守るための助けになると思います。

コラム「おしえて!ゆうき先生Q&A」

精神科医 ゆうきゆう先生のコラムもとってもためになります。ぼくが印象的だと思ったものを紹介します。

がんばり続けてうまくいく人とプツンと切れてしまう人の差

生きてると、誰しも頑張らないといけない場面はあります。その結果、成功した人とプツンと切れて心身を壊す人がいます。これにはどのような差があるのでしょうか。

この差には、

①「がんばっていることが自分自身で決めたことかどうか」

②「がんばったことの成果が分かりやすいか」

というのが重要な要素だとゆうき先生は書かれています。

例えば、漫画家さんは休む暇もないくらい働いている人が多くいます。しかし、多くがイキイキとしています。

それは漫画を描く仕事が自分で決めたこと(①)だからです。そして、単行本の売り上げや読者の声という形で、成果が分かりやすく感じられる(②)からです。

逆に、①②が当てはまらない上に長時間労働を強いられている場合は、この状態を続けていると精神的に大きなストレスを受けることになるので、注意です。

ぼくの話になるのですが、ぼくは会社(メーカー)で部署異動をして1年くらい経ってうつ病と診断されました。部署異動で機械設計をするのは変わらなかったのですが、担当する製品がA→Bに変わりました。

ぼくは元々入社する際に製品Aをやりたかったから入社したので、製品Bを担当することになったのは①に当てはまりません。異動はなかなか断れませんので。

また、製品Bは一般のお客さんが使用するものです。ですので、成果としてお客さんの声が聞ければよかったのですが、全く聞けませんでした。ですので、②も当てはまりません。

この状態で異動先で仕事を続けていたので、大きなストレスを受けていたのだと思います。うつ病の一因となったのでしょう。

心を病むのはその人が弱いから?

ゆうき先生によると、答えはNoです。

心に関わる疾患の原因は「遺伝と環境が半々」だと言われているそうです。

遺伝とは、その人に元々備わっているもの。

環境とは、その人がどのような生活を送ってきたか。また現在、送っているか

ストレスの強すぎる環境にいれば、心の病気になる可能性は高まります。しかし。そんな環境でも元気な人もいます。その人に元々備わった資質がそうさせているのでしょう。

ですので、結果的に「遺伝と環境が半々」とされているそうです。

さらに、現在の日本では5人に1人が精神疾患にかかった経験があるという調査結果も出ているそうです。心を病むことは日本人の多くに起こりえることで、特別ではありません。(先生も過去にストレス過多状態が続き、不眠、食欲不振となったことがあるそうです)

ですので、「自分は心が弱いんだ」と、さらに自分の気持ちを追い込む必要はまったくないそうです。

何があっても絶対大丈夫な人は存在しないのです。

追い詰められると、なんで「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができないの?

心理学の有名な概念に「学習性無力感」というものがあるそうです。

これは長期間、人間や動物がストレスを受け続けると、その状況から逃げ出そうという努力すら行わなくなるという現象です。

サーカスの象は足首に紐をくくられ、地面にさした杭とつながれています。象は力が強いので、杭ごとひっこ抜いて逃げ出すことができます。でも、そうはしません。なぜでしょうか。

それは、サーカスの象は小さい頃から足首に紐をくくられ、杭とつながれて育ちます。小さい象の力では杭は抜けません。つまり、小さいうちに「抵抗しても無駄」ということをインプットしてしまうため、「無駄だ」という無力感を学習し、大人になっても「逃げる」という発想が無くなってしまったからなのです。

これは人間も同じです。人間も過度のストレスを受け続けると、逃げ出すという選択肢が見えなくなります。

ですので、「休む」「辞める」の選択肢が見えているうちに行動することが大切なのかなと思います。

はじめての心療内科コーナー

日本人にとっての精神科・心療内科は、ぼくはまだまだ敷居が高いのではないかと思っています。

欧米では風邪を引いたときときと同じような感覚で、最近、心の調子がイマイチと思ったら気軽に精神科・心療内科を受診するそうです。

しかし、日本はどうでしょう。みなさん風邪を引いたら、当たり前のように気軽に内科に行きますよね。

でも、精神科・心療内科には気軽に行けますか。なにか躊躇してしまいませんか。

このコーナーではそんな方々に向けたコーナーです。こんな感じのことが書いてあります。

  • こんなことで精神科・心療内科に電話、相談していいの?
  • 電話が緊張してしまう場合はどうすれば?
  • 自分に合った精神科・心療内科の選び方
  • 精神科・心療内科ってどんなトコ?
  • 精神科・心療内科って、どういう段階で行けばいいの?

これを読めば、少しは精神科・心療内科の敷居が低くなって、気軽に受診しやすくなるのではないでしょうか。

ぼくは、どうにもできなくなって、すがる思いで精神科を受診し、うつ病と診断され、現在休職中です。

ぼくはもっと早い段階で気軽に精神科に行っておけば良かったなと思います。やはり他の病気と同じように、心の病気も早期治療で苦しみも少なくなります。

この記事を読んで下さったみなさんは、心の調子が悪いと感じたら、早い段階で精神科・心療内科を受診することをおすすめします。

日本がもっと気軽に精神科・心療内科を受診するような風土になって、心の病気で苦しむ人が減ればいいなあと思います。

まとめ

ぼくはこの本を読んで、新入社員研修でわけわからん研修をやるくらいなら、この本を読ませろ!と思いました。

この本は、正直学生から社会人まで、すべての人に読んでもらって、もっと自分を大切にすることの大事さを知ってほしいです。

この本で少しでも、苦しむ人が少なくなればいいなあと思います。

おわり!

 

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